「神智学」の原語は、「テオソフィア(英語で「セオソフィー」)」です。
「神的な領域を探求する直観的な知恵」という意味です。
ギリシャ語の「ソフィア(知恵)」と「ロゴス(言葉・理法)」は対照的な意味を持った言葉として考えられることがあります。
ヘレニズム期の神話や神秘主義思想では、女性名詞の「ソフィア」は「神の娘」あるいは「万物の母」と考えられていて、霊的で直観的な知恵を意味します。
一方、男性名詞の「ロゴス」は「神の息子」、「万物の父」と考えられていて、宇宙の法則や言葉を意味します。
どちらも物質世界の原型となって、それを作る存在です。
ただ、ソフィアは物質世界に内在してそれを形作るのに対して、ロゴスは内在せずに超越的に物質世界を形作ると考えられる傾向がありました。
ソフィアは「母なる神」として、父なる神との間に子ロゴスを生むと考えられることもありました。
一方、女性的なものを軽視する立場では、ソフィアは魂に近い低い存在で、子なる神ロゴスを受け入れて魂の中に神的なものを育みます。
「哲学」の原語はギリシャ語の「フィロソフィア(英語で「フィロソフィー」)」です。
この言葉はギリシャの哲学者ヘラクレイトスが使い始めたと言われています。
これは「霊的・直観的な知恵を愛する」という意味です。
この知恵では、どうしても象徴的な認識、表現が重要となります。
これに対して、概念的・分析的・理性的な知恵を愛することを「フィロロゴス(英語で「フィロロジー」)」と言うことができます。
この用法は「ロゴス」という言葉をいくぶん矮小化しています。
この言葉は、哲学者であるプロティノスが悪い意味を込めて批判的に使っています。
この言葉は「学門」と訳すこともできるでしょう。
哲学が霊的・直観的な思考ならば、神(テオス)や神的なものを対象とする部分が重要です。
これは「テオソフィア(英語で「セオソフィー」、日本語で「神智学」)」と呼ばれます。
この言葉はアンモニア・サッカスの一派が使いました。
一方、神や信仰について理性的に探究する思考は「テオロゴス(英語で「セオロジー」、日本語で「神学」)」と呼ばれます。
厳密に区別すれば、「神智学」は宇宙創造以前の神統学や宇宙の外の神の世界を扱って、物質的な宇宙や魂の世界に関しては「自然学」や「宇宙論」が扱う世界です。
ただ、ここではそれほど厳密に区別しないでおきましょう。
古代の宇宙論にとって、星(天)の世界は神に近い領域でした。
ですから、哲学や神智学、神学にとって星の世界の探究は不可欠です。
星の世界の動きやその地上への影響を理性的に分析する思考は、英語で「アストロロジー」と呼ばれ、これは「占星学」、あるいは「星辰学」と訳されます。
しかし、アストロロジーは、星の世界を霊的・直観的・象徴に探究する側面が多いので、「アストロソフィー」と呼び、「星辰智学」とでも訳すこともできるでしょう。
ただし、これらの言葉は使われていません。
この記事へのコメント
a
morfo
どちらの知も物質を対象にできると思いますが、ソフィアが物質を対象にすると、
どうしてもその中の「霊的なもの」を見てしまうのかもしれませんね。
フィロソフィアは、その表現方法によって男性的にも女性的にもあるのかもしれませんね。
taishi
惑星の光線構造について質問させていただきたいのですが、以前、天王星のパーソナリティー7魂3モナド1と言われてましたが、地球についてはどう思いますか? パーソナリティー6魂3モナド1だと思うのでがどうでしょうか?
taishi ohira
morfo
旅行中だったため、お返事が遅れてしまいました。
アリス・ベイリー以降の秘境占星学の関するご質問でしょうか?
残念ながら、私はこの分野には詳しくなく、今は、以前書いた文章「神智学の7光線理論と秘教占星学」の出典が見つけられなくなっていて、お答えできません。
地球のモナドは3だと思いますが。
ちなみに、小島露観「セブン・レイズ・サイコロジー」は、独自説でしょうか、天王星5・7・1、地球3・4・1としています。
大平
bクレームなどが発表してる惑星の光線は、パーソナリティーであると、知り合いの瞑想者から聞きました。
天王星は、P7 S3 M1 で間違いないと思います。
地球は、P3 S6 M1の気がします。
DK覚者は、明かせないが、世界主のPかSが第六光線であると述べてました
ロゴスと世界主は違いますが、代理人ではあるので、似た光線構造の可能性はありますね
大平
そういえば、シヴァ ヴィシュヌ、ブラフマーは、電気の火、太陽の火、摩擦の火の伝導者とされてますが、天王星、海王星、土星の色と、神話の三位一体の皮膚の色は一致してます。
ブラフマーは青くなく、赤黄色の土星と一致してます。
大平
金星 p5 s6 m2
火星 p6 s1 m3
地球 p3 s4 m1
水星 p4 s5 m2
木星 p2 s7 m3
土星 p3 s1 m3
という仮説立てました
地球が物質に埋もれ苦しんでることから3光線のpであることは確かでしょう
一方、戦争を通じて成長してきたことから、4か6の可能性はありますね。美しい自然や色調を思えば、4光線かもです。神話では、ヴィーナスと仲の良いアドニスとして出てきますね
大平
水星は、哲学者なので、3かもです
木星は、2かもです。
morfo
ですが、現在、この件について検討する余裕がないことが残念です。
ご了承ください。