ブラヴァツキー夫人の主著「シークレット・ドクトリン」は、近代神智学の最大の聖典です。
その「宇宙発生論」篇では、宇宙の流出・創造プロセス、霊的存在の下降のプロセスが語られます。
そして、「人類発生論」では、人間の発生と進化のプロセスが語られます。
その「宇宙発生論」篇では、宇宙の流出・創造プロセス、霊的存在の下降のプロセスが語られます。
そして、「人類発生論」では、人間の発生と進化のプロセスが語られます。
ここでは、「シークレット・ドクトリン」を中心に、神智学の宇宙発生論(太陽系の進化以前まで)、及び、宇宙の階層に関してまとめます。
<宇宙・人類発生の基本構造>
「シークレット・ドクトリン」によると、宇宙は入れ子状の多重な「周期的生滅」を繰り返します。
これは、神の「覚醒」と「睡眠」として比喩的に表現されます。
哲学的には、「顕現」と「非顕現」、「流出」と「帰還(収束)」です。
これは、神の「覚醒」と「睡眠」として比喩的に表現されます。
哲学的には、「顕現」と「非顕現」、「流出」と「帰還(収束)」です。
つまり、無であり一なる存在から、順次下位の存在が階層的に生まれますが、流出の下降は、やがて反転して、上昇、収束に至ります。
「シークレット・ドクトリン」の宇宙論には、進化論的観点があって、下降から上昇へは、「下降進化(逆進化)」から「上昇進化」への反転となります。
「シークレット・ドクトリン」の宇宙論には、進化論的観点があって、下降から上昇へは、「下降進化(逆進化)」から「上昇進化」への反転となります。
下降的流出は、まず、質料的に行われて、最下層の物質界に至ります。
これに続いて形相的な「生命」の下降が行われ、形態が作られていきます。
最後に、霊的な意識存在の下降があり、これが形態の中に転生(受肉・化身)します。
これを契機にして、霊的存在は、下降と上昇の葛藤の中で、上昇に反転します。
これに続いて形相的な「生命」の下降が行われ、形態が作られていきます。
最後に、霊的な意識存在の下降があり、これが形態の中に転生(受肉・化身)します。
これを契機にして、霊的存在は、下降と上昇の葛藤の中で、上昇に反転します。
<ロゴスの顕現>
「シークレット・ドクトリン」の宇宙発生論では、原初の存在は「あらゆるものの原因」、「永遠の親」と表現されます。
これは、哲学的には中性ですが、比喩的には女性であり、「彼女」とも表現される「原初の母」です。
サンスクリット語では「パラブラフマン」と表現されますが、女神としてはヴェーダの原初母神アディティに相当するでしょう。
これは、哲学的には中性ですが、比喩的には女性であり、「彼女」とも表現される「原初の母」です。
サンスクリット語では「パラブラフマン」と表現されますが、女神としてはヴェーダの原初母神アディティに相当するでしょう。
この原初の状態は、「眠り」、「未顕現」、サンスクリット語で「プララヤ」と表現されます。
そして、これは「無時間」とも表現されます。
そして、これは「無時間」とも表現されます。
しかし同時に、これは、未分化の根源物質、宇宙資料の「ムーラプラクリティ」と一体の状態であり、その「衣」を着ていると表現されます。
「パラブラフマン」は「父」、「ムーラプラクリティ」は「母」ですが、まだ、二者は一体で未顕現の状態です。
「パラブラフマン」は「父」、「ムーラプラクリティ」は「母」ですが、まだ、二者は一体で未顕現の状態です。
この状態から、流出、つまり、宇宙の創造への動きが起こることによって、「顕現」、「覚醒」、サンスクリット語では「マンヴァンタラ」の状態に移っていきます。
この時、「母」はまだ「処女」の状態であり、「子」は潜在的な「胚種」の状態です。
この時、「母」はまだ「処女」の状態であり、「子」は潜在的な「胚種」の状態です。
そこから「子」が「光」として生まれ、「光線」が「母」に差し込みます。
これによって、「胚種」は有精卵の「世界卵」になります。
これによって、「胚種」は有精卵の「世界卵」になります。
そして、そこから「宇宙霊」たる「ロゴス」、サーンキヤ哲学の「マハット(大いなるもの)」、「マハーブッディ」、神格としては「ブラフマー」、ミトラ系仏教では「観音菩薩」と呼ばれる存在が生まれます。
以上の過程の様相は複雑ですが、神性は「3重のロゴス」、「父と子と聖霊(母)」の三位一体として捉え直されます。
ただ、ブラヴァツキー夫人は、3つのロゴスに関しては、あまり語らず、語っても断片的で、ブレもあるように思えます。
ただ、ブラヴァツキー夫人は、3つのロゴスに関しては、あまり語らず、語っても断片的で、ブレもあるように思えます。
リードビーターらのアディヤール派の体系を説いた「神智学大要」では、次のように体系的に整理されました。
宇宙創造に当たって、最初に流出するのは「第3ロゴス」で、「力」、「質料」のロゴスです。
そして、2番目に流出する「第2ロゴス」は、「生命」、「形態」のロゴスで、流出した存在は「モナド・エッセンス」と呼ばれます。
最後に流出するのは「第1ロゴス」で、「モナド(霊)」を生む「神性」、「人間」のロゴスです。
宇宙創造に当たって、最初に流出するのは「第3ロゴス」で、「力」、「質料」のロゴスです。
そして、2番目に流出する「第2ロゴス」は、「生命」、「形態」のロゴスで、流出した存在は「モナド・エッセンス」と呼ばれます。
最後に流出するのは「第1ロゴス」で、「モナド(霊)」を生む「神性」、「人間」のロゴスです。
また、アリス・ベイリーは、各ロゴスの性質を別に表現していて、「第1ロゴス」は「意志と力」、「第2ロゴス」は「愛と智恵」、「第3ロゴス」は「活動的知性」の光線であるとします。
<宇宙創造と7原理>
次に、これから「原初の七人」が生まれます。
これらは、「7原理」、「7光線」でもあります。
「原初の七人」は、インド「ヴェーダ」のアーディティア神群、ゾロアスター教の7人の「アムシャ・スプンタ」、キリスト教の「大天使」などに相当する存在です。
サンスクリット語で「ディヤーニ・チョーハン」とも表現されます。
彼らは、「フォーハット」という宇宙的な生命エネルギー、ヒンドゥー教の「シャクティ」に相当するものを使います。
「フォーハット」は「火の竜巻」、これは「世界卵」に巻き付く「蛇」とも表現されます。
「フォーハット」は「火の竜巻」、これは「世界卵」に巻き付く「蛇」とも表現されます。
「フォーハット」は7つの「ラヤ中心」と呼ばれる分化の原点を作り、宇宙の7階層の構造と、恒星系、惑星チェーン、天体を作ります。
まず、宇宙の最初の2層が作られた後に、太陽系が作られます。
太陽は太陽系における最高神に当たり、「太陽ロゴス(太陽霊)」と呼ばれます。
太陽は太陽系における最高神に当たり、「太陽ロゴス(太陽霊)」と呼ばれます。
その下位の各惑星における最高神は「惑星ロゴス(惑星霊)」であり、「七人の建設者」とも呼ばれます。
さらにその下位存在に、「ピリカ(記録者、4大天使)」が生まれます。
さらにその下位存在に、「ピリカ(記録者、4大天使)」が生まれます。
<宇宙の階層>
太陽系における7階層は次の通りです。
1 アーディ(ロゴス)界
2 アヌパーダカ(モナド)界
3 アートマ(涅槃)界
4 ブッディ界
5 マナス(メンタル)界
6 アストラル(カーマ)界
7 物質界
2 アヌパーダカ(モナド)界
3 アートマ(涅槃)界
4 ブッディ界
5 マナス(メンタル)界
6 アストラル(カーマ)界
7 物質界
この太陽系の7階層は、より大きな宇宙の7階層における最下層に当たります。
また、それぞれの階層は、さらに7つの亜層に分かれます。
物質界の亜層の上層部がエーテル層です。
また、それぞれの階層は、さらに7つの亜層に分かれます。
物質界の亜層の上層部がエーテル層です。
この階層は、上下や内外といった空間的に存在する階層性ではなく、空間的には基本的には重なって存在します。
「アーディ」という語の意味は「原初の」、「アヌパーダカ」は「親のいないもの」です。
この階層のバックボーンとしては、「ヴィシュヌ・プラーナ」や、それが基づくサーンキヤ哲学、そして、新プラトン主義やミトラ教神智学などの影響を考えることができますが、それらをもとに、独自に再構成されています。
「神智学における人間の本質と階層」に続きます。
・ブラヴァツキー夫人と神智学協会の歴史
・神智学協会アディヤール派と分派の歴史
● 「シークレット・ドクトリン」の宇宙発生論と宇宙の階層
● 「シークレット・ドクトリン」における人間の本質と階層
● 「シークレット・ドクトリン」の生命発生論と地球進化系
● 「シークレット・ドクトリン」の人類発生論と堕天神話
・7光線理論と秘教占星学(アリス・ベイリー、他)
・ハイアラーキーとイニシエーション(ベイリーとリードービーター)
● 神智学の思想の背景と本質
・神智学協会アディヤール派と分派の歴史
● 「シークレット・ドクトリン」の宇宙発生論と宇宙の階層
● 「シークレット・ドクトリン」における人間の本質と階層
● 「シークレット・ドクトリン」の生命発生論と地球進化系
● 「シークレット・ドクトリン」の人類発生論と堕天神話
・7光線理論と秘教占星学(アリス・ベイリー、他)
・ハイアラーキーとイニシエーション(ベイリーとリードービーター)
● 神智学の思想の背景と本質
この記事へのコメント