前項「神智学における人間の本質と階層」、前々項「神智学の宇宙発生論と宇宙の階層」から続いてこの項では、ブラヴァツキー夫人の主著「シークレット・ドクトリン」を中心にして、太陽系における進化システムとしての諸惑星の発生、現在の地球の発生までの歴史をまとめます。
ブラヴァツキー夫人の主著「シークレット・ドクトリン」の「人類発生論」篇では、天体と共に人間が進化、霊化するプロセスが語られます。
ですが、神智学における「人間(人類)」の概念は、我々が普通に思う「人間」とは異なります。
狭義の「人間」は、神性の分霊を内に持ち、知性と自我を持つ存在です。
そして、広義の「人間」は、狭義の「人間」につながる生命の流れ全体です。
狭義の「人間」は、神性の分霊を内に持ち、知性と自我を持つ存在です。
そして、広義の「人間」は、狭義の「人間」につながる生命の流れ全体です。
狭義の「人間」となる広義の「人間」は、過去においては、肉体を持たなかったり、両性具有だったり、卵生だったり、巨人だったり、半神だったり、半獣だったりしました。
「人間」は、宇宙の長い歴史のほんの少し前に、「モナド」が下降して「高級自我」の3複体としての「ナマス(心、知性)」が、「動物人間」という体に結びついた時に、我々が普通に言う人間らしい人間になりました。
これは、宇宙が「下降進化」から「上昇進化」へと反転する地点です。
これは、宇宙が「下降進化」から「上昇進化」へと反転する地点です。
<人類発生論の周期>
天体と人類の発生、進化は、幾重にも重なった周期の中で行われます。
一般に「777の法則」と呼ばれますが、細かく見れば、7段階の周期が4~5重に重なった周期としてまで説かれます。
一般に「777の法則」と呼ばれますが、細かく見れば、7段階の周期が4~5重に重なった周期としてまで説かれます。
多重周期の宇宙論という点では、この神智学の宇宙論は、「ヴィシュヌ・プラーナ」などのヒンドゥー教の「プラーナ文献」の影響を受けています。
「倶舎論」などのアビダルマ仏教の宇宙論も同じです。
「倶舎論」などのアビダルマ仏教の宇宙論も同じです。
「シークレット・ドクトリン」の「人類発生論」篇は、太陽系における進化の歴史を記述しています。
リードビーター系のアディヤール派の思想体系を説いた「神智学大要」では、「進化系(スキーム)」という概念を用い、太陽系の中の「地球進化系」の歴史とされます。
リードビーター系のアディヤール派の思想体系を説いた「神智学大要」では、「進化系(スキーム)」という概念を用い、太陽系の中の「地球進化系」の歴史とされます。
「シークレット・ブッディズム」と「神智学大要」では、通常の見える天体の中で、火星と水星は「地球進化系」に属し、他の惑星、太陽は他の「進化系」に属するとします。
ですが、ブラヴァツキー夫人は、火星と水星も他の進化系に属するとします。
ですが、両者ともに、地球の衛星である月は、「地球進化系」にあります。
ですが、ブラヴァツキー夫人は、火星と水星も他の進化系に属するとします。
ですが、両者ともに、地球の衛星である月は、「地球進化系」にあります。
「地球進化系」には、7つの「惑星連鎖」があり、その中に7つの「ラウンド」があり、その中に7つの「天体期」があり、その中に7つの「根幹人種」の時代があり、その中に7つの「亜人類」の文化期があります。
進化系<チェーン(連鎖)<ラウンド(環)<天体期<根幹人種<亜人種
我々の現在の時代は、第4の地球連鎖の、第4ラウンドの、第4の天体D(地球)期の、第5の後アトランティス(アーリア根幹人種)期の、第5チュートン亜人類期に当たります。
これは、「下降進化」から「上昇進化」への宇宙的転換点の直後に当たります。
ちなみに「ヴィシュヌ・プラーナ」は、現在の時代を、転換点の直前とします。
ちなみに「ヴィシュヌ・プラーナ」は、現在の時代を、転換点の直前とします。
<惑星連鎖>
惑星連鎖は、時間的には7つの連鎖から、物的にはそれぞれ7つの天体から構成されます。
現在の我々は、第4番目の地球連鎖にあり、天体Dである地球にいます。
現在の我々は、第4番目の地球連鎖にあり、天体Dである地球にいます。
「惑星連鎖」~「天体期」の考えは「ヴィシュヌ・プラーナ」にはなく、ブラヴァツキー夫人の独創なのでしょう。
スウェデンボルグが言う諸地球の惑星の住人という発想や、ファーブル・ドリヴェが惑星を生物として考え、地球は諸惑星が融合して生まれたという説に、影響を受けているのかもしれません。
スウェデンボルグが言う諸地球の惑星の住人という発想や、ファーブル・ドリヴェが惑星を生物として考え、地球は諸惑星が融合して生まれたという説に、影響を受けているのかもしれません。
1連鎖(チェーン)が終わると、7つの天体は消滅し、その後、新しい連鎖の天体が作られます。
現在の地球連鎖の天体は、月連鎖の惑星から引き継がれました。
現在の地球連鎖の天体は、月連鎖の惑星から引き継がれました。
7つの天体は、4種類の異なる階層の天体で構成されます。
第1連鎖では、最下層の天体は低位マナス天体で、現在の人間は鉱物存在でした。
第2連鎖では、最下層の天体はアストラル天体で、現在の人間は植物存在でした。
第3連鎖では、最下層の天体はエーテル天体で、現在の人間は動物存在でした。
現在の第4連鎖では、最下層の天体の地球は物質天体で、現在の人間は人間になります。
第5連鎖からは、上昇に転じます。
第2連鎖では、最下層の天体はアストラル天体で、現在の人間は植物存在でした。
第3連鎖では、最下層の天体はエーテル天体で、現在の人間は動物存在でした。
現在の第4連鎖では、最下層の天体の地球は物質天体で、現在の人間は人間になります。
第5連鎖からは、上昇に転じます。
<惑星ラウンド>
現在の我々は、地球連鎖の第4ラウンドにあります。
各ラウンドの終りにも、7つの天体は消滅し、その後、新しいラウンドの天体が作られます。
各ラウンドの終りにも、7つの天体は消滅し、その後、新しいラウンドの天体が作られます。
第1ラウンドでは、天体は低位マナス界まで下降します。
第2ラウンドでは、天体はアストラル界まで下降します。
第3ラウンドでは、天体はエーテル界まで下降します。
第4ラウンドでは、天体は物質界まで下降します。
第5ラウンドからは、上昇に転じます。
第2ラウンドでは、天体はアストラル界まで下降します。
第3ラウンドでは、天体はエーテル界まで下降します。
第4ラウンドでは、天体は物質界まで下降します。
第5ラウンドからは、上昇に転じます。
「ヴィシュヌ・プラーナ」によれば、ブラフマー神の1日に当たる1「カルパ」の間に、14人の「マヌ(人祖)」が現れます。
ブラヴァツキー夫人は、これを地球連鎖に14人の「マヌ」が現れ、天体Aの「根本マヌ」と天体Gの「種子マヌ」がそれぞれ7人であるとしました。
また、各「根本マヌ」は、根幹人種に対応する7「マヌ」を創造します。
ブラヴァツキー夫人は、これを地球連鎖に14人の「マヌ」が現れ、天体Aの「根本マヌ」と天体Gの「種子マヌ」がそれぞれ7人であるとしました。
また、各「根本マヌ」は、根幹人種に対応する7「マヌ」を創造します。
現在は4ラウンドなので、現在の「マヌ」は、ちょうど中間に当たる7番目の「根本マヌ」で、「ヴァイヴァスヴィタ」であるとします。
このように、「ヴィシュヌ・プラーナ」と整合させています。
このように、「ヴィシュヌ・プラーナ」と整合させています。
<天体期>
現在の我々は、第4番目の天体である天体D(=地球)のD天体期にあります。
地球に月という衛星がある理由は、月が前チェーンにおける天体Dであり、現在の月は、現在の地球を生んだ後の名残の天体だからです。
地球に月という衛星がある理由は、月が前チェーンにおける天体Dであり、現在の月は、現在の地球を生んだ後の名残の天体だからです。
先に書いたように、「シークレット・ブッディズム」と「神智学大要」では、天体C=火星、天体E=水星としますが、「シークレット・ドクトリン」でブラヴァツキー夫人はこれを否定しています。
1 A?
2 B?
3 C(=火星)
4 D=地球
5 E(=水星)?
6 F?
7 G?
2 B?
3 C(=火星)
4 D=地球
5 E(=水星)?
6 F?
7 G?
AからGの天体はそれぞれ、前のラウンドの各天体から生まれます。
現在の第4ラウンドにおける天体D(地球)は物質天体、天体C、Eはエーテル天体、天体B、Fはアストラル天体、天体A、Gはメンタル天体です。
現在の第4ラウンドにおける天体D(地球)は物質天体、天体C、Eはエーテル天体、天体B、Fはアストラル天体、天体A、Gはメンタル天体です。
「生命(モナド・エッセンス)」は、天体AからGの7つの天体を順に巡ります。
「生命」には7クラスがあって、第1クラスから天体を巡り、第7クラスが天体Aに現れると、第1クラスが天体Bに入ります。
そのため、活動している天体は、「生命」がいる天体(多分2つ)のみです。
「生命」には7クラスがあって、第1クラスから天体を巡り、第7クラスが天体Aに現れると、第1クラスが天体Bに入ります。
そのため、活動している天体は、「生命」がいる天体(多分2つ)のみです。
天体D(地球)でも、人間につながる流れでは、7つのクラスの生命が進化しています。
上昇進化の過程にいるのが人間、動物、植物、鉱物で、まだそれ以前の下降進化の過程にいるのが、第3エレメンタル(アストラル生命)、第2エレメンタル(低位メンタル生命)、第1エレメンタル(高位メンタル生命)です。
上昇進化の過程にいるのが人間、動物、植物、鉱物で、まだそれ以前の下降進化の過程にいるのが、第3エレメンタル(アストラル生命)、第2エレメンタル(低位メンタル生命)、第1エレメンタル(高位メンタル生命)です。
天体Aはそのラウンドの原型(根源人類の原型も含む)を持つ天体です。
天体A、B、Cでは、形態が進化します。
天体Dで、初めて人間が人間段階になり、金星から「世界主」の「サナート・クマーラ」ら「炎の主達」が到来し、形態に霊魂(アートマ、ブッディ、マナスの3複体の「高級自我」)が入りました。
これは、一つの進化系で一度の折返し点で起こります。
天体E、F、Gでは、霊魂が形態、つまり、物質性、動物性をコントロールするようになります。
天体A、B、Cでは、形態が進化します。
天体Dで、初めて人間が人間段階になり、金星から「世界主」の「サナート・クマーラ」ら「炎の主達」が到来し、形態に霊魂(アートマ、ブッディ、マナスの3複体の「高級自我」)が入りました。
これは、一つの進化系で一度の折返し点で起こります。
天体E、F、Gでは、霊魂が形態、つまり、物質性、動物性をコントロールするようになります。
ブラヴァツキー夫人は、A~Gの7天体とカバラの下位セフィロートとの対応を書いています。
カバラの4世界は、天体A・G、B・F、C・E、Dの4層と対応させます。
また、A=ゲプラー、B=ホド、C=イエソド、D=マルクト、E=ネツァク、F=ティファレット、G=ヘセド、と対応させます。
カバラの4世界は、天体A・G、B・F、C・E、Dの4層と対応させます。
また、A=ゲプラー、B=ホド、C=イエソド、D=マルクト、E=ネツァク、F=ティファレット、G=ヘセド、と対応させます。
「神智学の人類発生論と堕天神話」へ続きます。
・ブラヴァツキー夫人と神智学協会の歴史
・神智学協会アディヤール派と分派の歴史
● 「シークレット・ドクトリン」の宇宙発生論と宇宙の階層
● 「シークレット・ドクトリン」における人間の本質と階層
● 「シークレット・ドクトリン」の生命発生論と地球進化系
● 「シークレット・ドクトリン」の人類発生論と堕天神話
・7光線理論と秘教占星学(アリス・ベイリー、他)
・ハイアラーキーとイニシエーション(ベイリーとリードービーター)
● 神智学の思想の背景と本質
・神智学協会アディヤール派と分派の歴史
● 「シークレット・ドクトリン」の宇宙発生論と宇宙の階層
● 「シークレット・ドクトリン」における人間の本質と階層
● 「シークレット・ドクトリン」の生命発生論と地球進化系
● 「シークレット・ドクトリン」の人類発生論と堕天神話
・7光線理論と秘教占星学(アリス・ベイリー、他)
・ハイアラーキーとイニシエーション(ベイリーとリードービーター)
● 神智学の思想の背景と本質
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