「ハタ・ヨガ」を生み出したのはナータ派ですが、このページでは、その影響を受けた他派の「ハタ・ヨガ」系経典である、「ゲーランダ・サンヒター」についてまとめます。
「ゲーランダ・サンヒター」は、ヴィシュヌ教サハジャ派の経典です。
一般に、ヴィシュヌ教の文献は、「ハタ・ヨガ」という言葉は使わず、「ガタ・ヨガ」という言葉を使います。
*「ハタ・ヨガ」を理解する前提としての「タントラの身体論」もご覧ください。
*ナータ派のハタ・ヨガについては、「ハタ・ヨガ・プラディーピカー(ナータ派のハタ・ヨガ)」をご覧ください。
*シャクティ教のハタ・ヨガについては、「シヴァ・サンヒター(シャクティ教のクリヤ・ヨガ)」をご覧ください。
<ゲーランダ・サンヒター>
「ゲーランダ・サンヒター」は、ヴィシュヌ教サハジャ派の経典です。
一般に、ヴィシュヌ教の文献は、「ハタ・ヨガ」という言葉は使わず、「ガタ・ヨガ」という言葉を使います。
*「ハタ・ヨガ」を理解する前提としての「タントラの身体論」もご覧ください。
*ナータ派のハタ・ヨガについては、「ハタ・ヨガ・プラディーピカー(ナータ派のハタ・ヨガ)」をご覧ください。
*シャクティ教のハタ・ヨガについては、「シヴァ・サンヒター(シャクティ教のクリヤ・ヨガ)」をご覧ください。
<ゲーランダ・サンヒター>
「ゲーランダ・サンヒター」は、シャットカルマ、アーサナ、ムドラー、プラティヤーハーラ、プラーナヤーマ、ディヤーナ、サアマディの7支を立て、この順で説きます。
シャットカルマ(浄化法)は、6つを言及します。
アーサナは、32を言及します。
中でも、「シッダ・アーサナ」は、眉間を凝視しながら行い、解脱が得られるとします。
また、「ブジャンガ・アーサナ」はクンダリーを目覚めさせます。
中でも、「シッダ・アーサナ」は、眉間を凝視しながら行い、解脱が得られるとします。
また、「ブジャンガ・アーサナ」はクンダリーを目覚めさせます。
この経典では、クンダリーの眠る場所はムーラダーラです。
ムドラーは、21を言及します。
中でも、「ヨーニ・ムドラー」を至上の秘儀として重視します。
これは「シャクティチャーラニー・ムドラー」を行った後にすべきとされます。
両目・耳・鼻口を手でふさぎ、プラーナとアパーナを結びつけ、6つのチャクラを順に念じ、クンダリーをサハスラーラに上昇させ、シヴァ神とシャクティ女神の合一を観想します。
これは「シャクティチャーラニー・ムドラー」を行った後にすべきとされます。
両目・耳・鼻口を手でふさぎ、プラーナとアパーナを結びつけ、6つのチャクラを順に念じ、クンダリーをサハスラーラに上昇させ、シヴァ神とシャクティ女神の合一を観想します。
「ヴィパリータ・カラニ」は、太陽のエネルギーを上昇させ、月のエネルギーを下に向かわせると説きます。
また、興味深いのは、「パンチャ・ダーラーナ・ムドラー(5つのダラーナ)」です。
詳細は語られませんが、「ゴーラクシャ・シャタカ」に書かれた方法と同様な方法でしょう。
特定の部位に種字を観想し、唱えながら、5元素に集中するのでしょう。
ただ、それぞれどの部位に集中するのかは、心臓と臍下しか書いてません。
詳細は語られませんが、「ゴーラクシャ・シャタカ」に書かれた方法と同様な方法でしょう。
特定の部位に種字を観想し、唱えながら、5元素に集中するのでしょう。
ただ、それぞれどの部位に集中するのかは、心臓と臍下しか書いてません。
記載されている各ダラーナの対応は下記の通りですが、部位の「?」は推測です。
(元素)(名前) (種字) (神) (部位)
・地 :パールティヴィー:ラ :ブラフマー :心臓
・水 :アーンパシー :ヴァ:ヴィシュヌ :喉?
・火 :アーグネーイー :ラ :ルドラ :臍下
・風 :ヴァーヤヴィー :ヤ :イーシュヴァラ:眉間?
・虚空:アーカーシー :ハ :サダーシヴァ :頭頂?
・地 :パールティヴィー:ラ :ブラフマー :心臓
・水 :アーンパシー :ヴァ:ヴィシュヌ :喉?
・火 :アーグネーイー :ラ :ルドラ :臍下
・風 :ヴァーヤヴィー :ヤ :イーシュヴァラ:眉間?
・虚空:アーカーシー :ハ :サダーシヴァ :頭頂?
また、「シャーンバヴィー・ムドラー」は、ディヤーナで使われます。
プラティヤーハーラは、外界から心を引き離してアートマンのコントロール化に置くといった、簡単な説明がされるのみです。
プラーナヤーマは、クンバカの8種に言及します。
最初の6つは、「ハタ・ヨガ・プラディーピカー」と同じです。
中でも「ムールッチャー」は、後のサマディーでも使われます。 、
これは、気楽にクンバカを行って、意識を眉間に置き、すべての対象を捨てて、アートマンに意識を結びつけて、恍惚・歓喜の状態になります。
これは、気楽にクンバカを行って、意識を眉間に置き、すべての対象を捨てて、アートマンに意識を結びつけて、恍惚・歓喜の状態になります。
また、「ケーヴァリー・クンバカ」は、「ハタ・ヨガ・プラディー」とは違って、「ハン」を唱えながら吸息し、「サハ」を唱えながら呼息する「アジャパ・ガヤトリ」として行います。
ディヤーナでは、「粗大なディヤーナ」、「光のディヤーナ」、「微細なディヤーナ」という3段階のディヤーナが説かれます。
「粗大なディヤーナ」は、形ある神々を観想します。
複雑な観想ですが、単純に言えば、島の上にいる守護神と、頭頂の蓮の上にいるシヴァ神の観想です。
複雑な観想ですが、単純に言えば、島の上にいる守護神と、頭頂の蓮の上にいるシヴァ神の観想です。
「光のディヤーナ」は、光として神を観想します。
具体的には、ムーラダーラ・チャクラにクンダリニーを炎として観相し、そこにブラフマの輝きを見ます。
あるいは、眉間に意識の輝きを観想して、それと一つになります。
具体的には、ムーラダーラ・チャクラにクンダリニーを炎として観相し、そこにブラフマの輝きを見ます。
あるいは、眉間に意識の輝きを観想して、それと一つになります。
「微細なディヤーナ」は、クンダリーを上昇させます。
具体的には、眉間の集中するシャンバヴィー・ムドラーによって、アートマンと一体になって、クンダリーを覚醒させて、頭頂、あるいは、頭頂から外に上昇します。
具体的には、眉間の集中するシャンバヴィー・ムドラーによって、アートマンと一体になって、クンダリーを覚醒させて、頭頂、あるいは、頭頂から外に上昇します。
サマディーは、真我とブラフマとの合一であり、サット・チット・アーナンダ(存在・心・歓喜)であり、自由であると説かれます。
そして、そのための6つの方法が言及されます。
「ディヤーナ」による方法は、眉間に集中する「シャーンバヴィー・ムドラー」で、ブラフマン(のビンドゥ)と融合して、虚空とアートマンを一体化させます。
「ナーダ」による方法は、「プラーマリー・クンバカ」をしながら、呼息に黒い雄蜂のうなり声のような内なる音を聴き、歓喜を感じます。
「ラサ・アーナンダ」による方法は、「ケーチャリー・ムドラー」で、サマディに達します。
アムリタを飲むのでしょう。
アムリタを飲むのでしょう。
*ナーダによる方法とラサ・アーナンダによる方法は、入れ替わっているかもしれません。
「ラヤ・シッディ」による方法は、「ヨーニ・ムドラー」で、シャクティ、アートマン、ブラフマンと一体化します。
「バクティ」による方法は、心臓に守護神を観想して献身の心を捧げます。
「ラージャ・ヨガ」による方法は、「マノー・ムールッチャー・クンバカ」で、パラ・アートマンと合一します。
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